閉じ込められた部屋(62)
その日は夜も遅いということもあって、病院に近くのホテルを紹介してもらって美和はそこに宿泊することにした。 次の日も、朝から真尋の面会に病院に訪れようと考えていた。 病院の受付でホテルの電話番号を聞く。 美和が自分の携帯電話でホテルに電話をかけると、 「はい、Aホテルです」 という若い女性従業員の声が受話器から聞こえた。 「一人なのですが、これから行っても泊まることはできますか」 と尋ねると、その電話先の女性は、何かを確認するような間を少しとった後に、 「おひとりさまですね。はい、大丈夫です」 と答えた。 病院の受付で地図を見せてもらいホテルまでの道順を確認すると、病院から1キロくらいの距離に位…
2024/04/19 21:00